建築士とは

建築士とは

建築士は国家資格を持って、建物の設計からトータルケアを行う専門家です。
住宅やビルなど様々な建物をつくる仕事を通して、人々の生活を支えています。
医者や弁護士と同じく「業務独占資格」で、資格がないと建築士になれません。

建築士の資格

建築士の資格は３種類あり、設計できる建物の規模や構造に違いがあります。

設計の3種類

設計には大きく分けて３つの種類があります。
①意匠設計　：デザインや間取りを考え、使いやすい建物を設計する
②構造設計　：地震や風に強い、安全な建物の骨組みを設計する
③設備設計　：電気・水道・空調など、快適に過ごせる設備を設計する

大工さんの業務は？

大工さんは建築士ではありません。
大工さんは建築士が設計した図面に基づき、木材を加工し建物を建てる職人です。
ですが大工さんの中にも、建築士の資格を取得する方もいます。

大学卒業で取得できるのは？

・大学や専門学校で指定科目を修了し、卒業時に得られるのは「受験資格」のみです。
・資格取得には、大学卒業後に学科試験（７月）、設計製図試験（１０月）の両方に合格しないといけません。
・一級建築士の合格率は約１０％で、平均合格年齢は３０歳前後の難関国家資格です。
・資格試験に合格するには、仕事をしながら資格スクールに通うのが一般的です。

一級建築士への最短ルート （高等教育機関へ進学の場合）

専門学校卒業で取得できるのは？

・専門学校（２年）で取得できるのは一級建築士・二級建築士の「受験資格」です。
・一般的に専門学校卒業後に、二級建築士試験を受験し合格を目指します。
・学科試験（７月）、設計製図試験（９月）の両方に合格しないといけません。
・二級建築士の合格率は約２２％で、平均合格年齢は２７歳前後の国家資格です。
・一級建築士よりも合格しやすいですが、卒業後も仕事と資格勉強を両立させる必要があります。

二級建築士への最短ルート （高等教育機関へ進学の場合）

文系でも活躍できる「意匠設計」

・建築は、大きく分けて「意匠設計」「構造設計」「設備設計」の３つの設計に分かれます。
・建物の外観や内装をデザインする「意匠設計」では、文系でもまったく問題ありません。
・求められる数学は、四則演算や中学・高校基礎的レベルです。
・文系ならではの文章力、プレゼンテーション能力も、建築士に求められる能力です。

理系が有利な「構造設計」

・免震など建物の安全性を確保する「構造設計」では、高度な計算が必要です。

求められる建築女子

・国土交通省の主導で、女性リーダーの育成や働き続けられる環境整備が進んでいます。
・今後はますます、建築業界で女性の活躍の場が広がっていきます。
・建築士の合格者を見ても、女性の比率が年々増えています。

　一級建築士の合格者　男女比約７：３
　二級建築士の合格者　男女比約６：４

建築士は「業務独占資格」

・建築業界では、資格で仕事のできる範囲が明確に決められています。
・医者や弁護士と同じく「業務独占資格」なので、資格がないとできない仕事があります。
・企業によっては有名大学卒でも、ある程度の年齢で一級建築士に合格していないと、設計から営業職やその他一般職に異動させられることもあります。

建築士は収入が高い職業

・建築士の給与は、一般的な平均給与よりも高めと言われています。
・特に一級建築士は、ビルや大型施設などの設計・監理ができるため給与は高くなっています。
・企業規模にもよりますが、平均給与は年収約７００万円*です。
※厚生労働省　賃金構造基本統計調査より　令和元年

他の職業との比較（参考例）

※参考：令和元年賃金構造基本統計調査（職種（小分類）別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額（産業計））
※年収算出方法：きまって支給する現金給与額×12ヶ月＋年間賞与その他特別給与額

建築士は難関資格

一級建築士
　総合合格率　　８．８％（学科試験　２３．３％、設計製図試験　２６．６％）
二級建築士
　総合合格率　２１．８％（学科試験　３９．１％、設計製図試験　４７．０％）
※令和６年試験結果・建築技術教育普及センターＨＰ
いずれも、学科と設計製図試験の両方に合格する必要があります。